アンナ・フェドロヴァのピアノをコンサートホールで聴き、その時の印象が未だ鮮烈に残っています。ロシアの美しい音楽に加え、アンコールは破壊や攻撃ではなく、希望の使者でした。
ウクライナを思い、明日を希望に満ちたものにしよう!その思いをロシアの音楽と共に伝える、というメッセージでした。コンサート後、そのメッセージが更に強く感じられます。
音楽が描くイメージは強烈に残ります。ピアニストの思いが強ければ強いほど、音楽との真摯な関わりが深ければ深いほど、そのイメージは鮮明に残ります。
もう一度、プログラムにあったムソルグスキーの「展覧会の絵」(ピアノ独奏版)を聴きたいと思いますが、アンナ・フェドロヴァ自身の録音はありません。
その思いを抱いていると、AppleMusicでこのアルバムが紹介されました。
試しに聴いてみると、その精密さ、透明さ、丁寧さに驚きました。この演奏も素晴らしい。イメージが湧き上がります。
決して聴きやすい曲ではありませんが、その世界にすっかり引き込まれます。ピアニストの力は不思議です。
ラフマニノフをこれほど精緻に奏でるピアニストが日本にいたとは、知りませんでした。
彼女が数年前から演奏活動を始めていたと知ると、これまで知らなかったことが恥ずかしいです。
アンナ・フェドロヴァの強い演奏に誘われ、ラフマニノフをもっと聴きたくなり、ロシアのピアノ音楽への興味が高まっています。そして、別のロシアのピアノを聴くこともできます。
松田華音は若いピアニストで、これから多くの名演が期待できます。それが、私たちにとって音楽を聴く楽しみを増やしてくれることでしょう。楽しみにしています。
